【5/1発売】ガザ ある戦争の物語

世界よ、あなたたちはどこにいる? 
あなたたちの人間性はどこにある?

イスラエルによる爆撃のもと、避難生活の中で書き綴った、ガザの人々の物語。


心優しい日本の皆様(まえがき)

序文
懇願の涙
純真な青年
死の瞬間まで揺るぎなく
母親は両翼を折られ
生きたまま死装束に包まれ
無に帰した夢
燃やされた魂
救急隊員のショック
揺るがぬ抵抗の意志
頭なしで葬られ
打ち砕かれた願い
天国にいる花嫁

心優しい日本の皆様(あとがき)
訳者あとがき(溝川貴己)
解説(山本 薫)


〈まえがきより〉

心優しい日本の皆様

このメッセージを読むために貴重なお時間を割いてくださり、ありがとうございます。この文章をお読みくださるよう皆さんに強いることはできませんが、私にとってはとても大切なことです。ですから、こうして目を通してくださることに(そして願わくは応答してくださることに)心から感謝申し上げます。
私の名前はディーナー・アブールバイア。ガザ出身の25歳の女性です。戦争の最中に結婚し、今はこのきわめて厳しい状況の中で第一子の出産を待っています。
私たちは占領と避難生活に苦しんでいます。十分な食べられる食料も手に入らず、病気になると知りながら汚染された水を飲んでいます。しかし、私たちが今日に至るまで生き延びてきた、これらのあらゆる苦境に抗って、私は「戦争の物語」という本を書きました。
私の本には、占領者イスラエルが私たちやその子どもたちに対して行なった虐殺の物語のごく一部が収められています。私が戦争の最中にこの本を綴ったのは、この物語を全世界にあらゆる言語で届け、イスラエルがガザで私たちに対して行なっているあらゆることの生き証人になってもらうためです。
日本の皆さんから、私に望めるかぎりの支援をいただければ、これほど嬉しいことはありません。私たちはガザで悲劇的な生活を送っています。私たちに心を砕いてくださるすべての人の助けを必要としています。私はこの本をできるだけ早く出版し、ガザの孤児たちを助けるためのオンライン・プラットフォームを立ち上げたいと強く願っています。私はガザで親を亡くしたすべての子どもたちを助けるための大きな構想を持っています。ですが、実現には日本の皆さんの助けが欠かせません。ガザで助けを必要とする人たちを救うためには、皆さんに共に立っていただく必要があるのです。私はガザで私たちの身に起きているすべてのことに、深く心を痛めています。パレスチナ人の子どもたちを助けたいと思っています。ですが、私一人では何もできません。ですから、優しい日本の皆さん、どうか私や助けを必要とする人々に力を貸してください。皆さんの温かいご応答をいただけたら、とても嬉しいです。

日本の皆さんに心から感謝と敬意を込めて
2025年8月
ディーナー・ホサーム・アブールバイア

​追記(2026年3月) 6か月前に第一子のアミールを授かりました。私はずっと、この子がこの世にやってくることを恐れていました。私たちは封鎖と破壊と虐殺のただ中におり、およそ生きているとは言いがたい人生を送っていたのです。しかし、神様のお計らいで、ガザに対する戦争が終わった後にこの子が生まれ、状況はいくらか良くなりました。


著者について】

ディーナー・ホサーム・アブールバイア  (著)

2000年、ガザ地区ジャバリヤ生まれ。ガザ・イスラーム大学でコンピュータ工学を専攻。2024年にイスラエルの侵攻により自宅を失い、空爆が続く中、避難先のテントでこの作品を書いた。その様子は日本のメディアでも紹介された(『朝日新聞』2025年1月4日付「『書くことでつながる希望』 絶望の果てにガザの女性が完成させた本」)。現在はガザ地区中部ヌセイラートの避難所のテントで生活している。

溝川貴己 (訳)

(みぞかわ・たかみ)早稲田大学文学研究科中東・イスラーム研究コース修士課程に在籍。翻訳にガッサーン・カナファーニー「五月半ば」(『翻訳文学紀行Ⅶ』収録)など。

山本 薫(解説)

(やまもと・かおる)アラブ文学研究者。慶應義塾大学総合政策学部准教授。著書に『Gaza Nakba 2023-2024』(共著、‎Springer)、訳書にザフラーン・アルカースィミー『水脈を聴く男』(共訳、書肆侃侃房)、アダニーヤ・シブリー『とるに足りない細部』(河出書房新社)ほか多数。


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