小野仁美・服部美奈(編著)、中田考、西山尚希、平野貴大、松永修、松山洋平、望月遥加、森田豊子、山本直輝(著)
2026年3月発売
なぜ、のびのびと学べるのか?
ジェンダー不平等の象徴とみなされがちな男女別学。だが、それは教育現場が何をいかに伝えるかによる。イスラーム諸国の多様な事例をもとに、別学・共学の文化的富の継承のあり方を再考し、学校教育の課題に挑む画期的研究。
もくじ
まえがき 服部美奈
序章 イスラームと男女別学の倫理を問う視点 服部美奈
第1章 エジプトにおける男女別学制度――特にアズハルの制度とその宗教的根拠 松永 修
コラム① イスラーム法学における男女混合(ikhtilāṭ)の是非―四大法学派と近現代学者の見解 松永 修
第2章 トルコの共学による排除と別学による包摂 望月遥加
コラム② イスタンブルの女性マドラサ 山本直輝
第3章 イランにおける男女別学 森田豊子
第4章 シーア派の女子教育観と女性の地位 平野貴大
第5章 男女別学の倫理の源流――一三世紀のイスラーム倫理学者トゥースィーの思想 西山尚希
コラム③ 中世イスラーム社会の教育とジェンダー 小野仁美
第6章 インドネシアとマレーシアの別学・共学 服部美奈
第7章 タリバンの思想における女子教育 中田 考
第8章 アフガニスタン首都カーブルの女子マドラサ 小野仁美
コラム④ 在日ムスリムの男女別学 松山洋平
コラム⑤ ムスリム当事者による学校との「交渉」の経験 松山洋平
終章―日本の公立高等学校の共学化問題に照らして 小野仁美
あとがき 小野仁美
【編著者】
小野仁美(おの・ひとみ)
東京大学多様性包摂共創センター特任研究員。専攻はイスラーム法、ジェンダー史。主な著作に『イスラーム法研究入門』(共編著、成文堂、2025年)、『結婚と離婚(イスラーム・ジェンダー・スタディーズ1)』(共編著、明石書店、2019年)、『イスラーム法の子ども観―ジェンダーの視点でみる子育てと家族』(慶應義塾大学出版会、2019年)。
服部美奈(はっとり・みな)
名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。専攻は教育人類学、比較教育学。主な著作に『日本で暮らすムスリムの子どもたちの教育―イスラームを学ぶ・生きる・継承する』(監修、明石書店、2025年)、『東南アジアのリバース・ジェンダー・ギャップ―進む女性の高学歴化は何を意味するのか』(共編著、明石書店、2025年)、『インドネシアの近代女子教育―イスラーム改革運動のなかの女性』勁草書房、2001年。
【執筆者】
中田 考(なかた・こう)
元同志社大学神学部教授。イスラーム法学者。著書多数。本書に関連のある著作として、『宗教地政学で読み解く―タリバン復権と世界再編』(ベスト新書、2024年)、『タリバン復権の真実』(ベスト新書、2021年)、『イスラーム法とは何か?(増補新版)』(作品社、2021年)。
西山尚希(にしやま・なおき)
東京大学東洋文化研究所特任研究員。専攻はシーア派思想史およびイスラーム倫理学。主な業績に「ナスィールッディーン・トゥースィーの倫理思想における神秘主義思想の役割」(『オリエント』67/2、2024、165–177頁)、「14世紀十二イマーム派イマーム論における哲学・スーフィズムの影響」(『オリエント』65/2、2022、115–127頁)。
平野貴大(ひらの・たかひろ)
筑波大学人文社会系助教。専攻はイスラーム思想史、シーア派思想。主な著作は『シーア派―起源と行動原理』(作品社、2024年)、『キリスト教とイスラーム・対立から共生へ―神秘思想にみる聖人・悪魔観』(分担執筆、晃洋書房、2024年)、『クルアーン入門』(共著、作品社、2018年)。
松永 修(まつなが・おさま)
アズハル大学(エジプト)大学院イスラーム諸学部シャリーア学科修士課程。専攻はイスラーム法学。イスラームの食に関する法と倫理、マイノリティ・ムスリムの宗教実践、そしてイスラーム法の施行と社会的意義について研究している。
松山洋平(まつやま・ようへい)
東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専攻はイスラーム思想研究。主な著作に『イスラーム神学』(作品社、2016年)、『イスラーム思想を読みとく』(ちくま新書、2017年)、『ニッポンのムスリムが自爆する時―日本・イスラーム・宗教』(作品社、2024年)。
望月遥加(もちづき・はるか)
イブン・ハルドゥーン大学(トルコ)文明間対話研究所修士課程修了。専攻は宗教をめぐる議論学とディスコース分析。主な著作にAsya ve Uzak Doğu’da Okullarda Din Eğitimi(『アジアと極東の学校における宗教教育』、共著、DEM Yayınları、2025年)。
森田豊子(もりた・とよこ)
横浜市立大学客員研究員。専攻はイラン地域研究。具体的にはイラン女性、子ども、家族など。主な著作に『結婚と離婚(イスラーム・ジェンダー・スタディーズ1)』(共編著、明石書店、2019年)、『宗教と風紀―<聖なる規範>から読み解く現代』(共著、岩波書店、2021年)。
山本直輝(やまもと・なおき)
マルマラ大学(トルコ)大学院トルコ学研究科アジア言語・文化専攻助教。専攻はスーフィズム、トルコ地域研究。主な著作に『スーフィズムとは何か―イスラーム神秘主義の修行道』(集英社新書、2023年)、『一神教と帝国』(共著、集英社新書、2023年)。
男女別学の倫理とイスラーム
2026年3月発売
四六判並製、272ページ、2800円(税別)
書籍 978-4-911256-40-4
