【9/29発売】マルクス・リバイバル――キーワードと新解釈


危機の時代に、マルクスを〈再発見〉する

貧困と不平等、気候危機、そして戦争。
資本主義をラディカルに分析したマルクスの思想が、いま新たな解釈とともに復権している。
世界的に知られる研究者たちが、22の重要概念を解説。批判的で開かれた思考のために。

●日本語版オリジナルの序章「マルクスの理論的革命」を収録
●解説:斎藤幸平、佐々木隆治

資本主義によって地球が危機に陥るなか、「現存社会主義」の鎖から解放されたカール・マルクスは、最も鋭い批判を提供する思想家として世界中で再発見されている。『マルクス・リバイバル』は、ベルリンの壁が崩壊した後に登場したマルクス理解に対する最良で、最も網羅的で、最も現代的な手引きである。本書は国際的に著名な専門家たちによって、幅広い一般の読者にも手に取りやすいようにわかりやすく書かれており、マルクスの著作に関する最も活気的で、最も示唆に富む現代的解釈がまとめ上げられている。本書が提示するのは、22項目の重要な概念についてマルクスが実際に書いた内容、19世紀後半からの変化を受けてアップデートが必要な領域、そして今日の世界でもなお非常に重要でありつづけている理由である。そのため本論集は、専門家にとってはもちろん、マルクスの著作に初めて取り組む新しい世代にとっても欠かせない一冊となっている。(本書、巻頭言より)


もくじ

序章 マルクスの理論的革命(マルチェロ・ムスト/赤海勇人、竹田真登、森下瑠偉訳)
1 資本主義(ミハエル・R. クレトケ/江原慶訳)
2 共産主義(マルチェロ・ムスト/赤海勇人訳)
3 民主主義(エレン・メイクシンス・ウッド/隅田聡一郎訳)
4 プロレタリアート(マルセル・ヴァン・デア・リンデン/結城剛志訳)
5 階級闘争(アレックス・カリニコス/新井田智幸訳)
6 政治組織(ピーター・ヒューディス/山本圭訳)
7 革命(ミシェル・レヴィ/百木漠訳)
8 労働(リカード・アントゥーネス/三家本里実訳)
9 資本と時間性(モイシェ・ポストン/野尻英一、松坂裕晃訳)
10 エコロジー(ジョン・ベラミー・フォスター/岩熊典乃訳)
11 ジェンダー平等(ヘザー・A. ブラウン/羽島有紀訳)
12 ナショナリズムとエスニシティ(ケヴィン・B. アンダーソン/佐々木隆治訳)
13 移住(ピエトロ・バッソ/菊地賢訳)
14 植民地主義(サンドロ・メッザードラ、ラナビア・サマダー/斎藤幸平訳)
15 国家(ボブ・ジェソップ/加藤雅俊訳)
16 グローバル化(チョン・ソンジン/柏崎正憲訳)
17 戦争と国際関係(ベンノ・テシィケ/隅田聡一郎訳)
18 宗教(ジルベール・アシュカル/竹田真登訳)
19 教育(ロビン・スモール/菊地賢訳)
20 芸術(イザベル・ガロ/秋元由裕訳)
21 テクノロジーと科学(エミー・E. ウェントリング/三家本里実訳)
22 マルクス主義(イマニュエル・ウォーラーステイン/佐々木隆治訳)
解説(斎藤幸平、佐々木隆治)


マルチェロ・ムスト(Marcello Musto)(編著)

1976年生まれ。ヨーク大学(カナダ、トロント)社会学教授。マルクス研究の復権に近年多大な貢献をしてきた論者として、世界的に知られる。その著作(www.marcellomusto.orgを参照)は25以上の言語に翻訳されており、邦訳書に『アナザー・マルクス』(堀之内出版、2018年)、『万国の労働者、団結せよ!――マルクスと第一インターナショナルの闘い』(編著、大月書店、2023年)がある。

斎藤幸平(さいとう・こうへい)(監訳)

1987年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了、博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。著書に『マルクス解体』(講談社)、『人新世の「資本論」』(集英社新書)、『大洪水の前に』(角川ソフィア文庫)、『ゼロからの『資本論』』(NHK出版新書)ほか。

佐々木 隆治  (ササキ リュウジ)  (監訳)

1974年生まれ。立教大学経済学部教授。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了、博士(社会学)。日本MEGA編集委員会編集委員。著書に『マルクス 資本論第3巻』『マルクス 資本論』(角川選書)、『マルクスの物象化論』(新版、堀之内出版)、『カール・マルクス』(ちくま新書)ほか。


マルクス・リバイバル――キーワードと新解釈
2025年9月29日発売
四六判上製、608ページ、4400円(税別)
書籍 978-4-911256-35-0

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